初めて、貴方に逢って安心感を感じた日はなかった。
一人の夜
桜舞い散る4月、私のところにあの有名なプラチナレターが届いた。
丁度高校も決まった時に・・・私はこの家から離れることを決めた。
私立MyTime学園。ここは特別選ばれた人間しか入れない学校。
父兄もそうろくに来れないといわれている。
特待生が集まる部屋には、ほとんど年上の先輩方ばかりだった。
でも、優しい方がばっかりで安心した。
自己紹介の中、私たちをじーっと見回している人物に気づいた。
彼は白い帽子をかぶって、すましている、私とほぼ同じ身長の男の子。
彼の名は『越前リョーマ』と言っていた。
「越前君も1年生?」
思い切って声をかけてみた。
「そうだけど・・・なに?」
彼は愛想なく返事を返してきた。
「私も1年なの。宜しくね」
「ヨロシク・・・」
そして、クラスも一緒になり学園生活が始まった。
学園生活にも慣れてきて、越前君とも仲良くなり、名前で呼び始めた。
そんなとき、越前君の知り合いの不二先輩が転入してきた。
先輩にカワイイとか言われて、顔が熱くなったけどそのたび、リョーマ君の顔は苛立ちを見せていた。
そんな中・・・
自分の傷を見ながら、思わずため息をついてしまう。
そろそろ夏服に入るのに、私はずっと長袖。
同室の弓月先輩に不審に思ったと思う。腕を見ようとすると、あの日が蘇ってしまう。
思わず、部屋を飛び出した。
誰も居ない庭でただ泣いてしまった。
無くなった母のこと・・・そして儀母の虐待・・・
「お・・・かあ・・・さん・・・!お母さん」
「美亜・・・・」
泣いている私に、呟くように優しく声をかけてきた人が・・・
「リョ・・・・マ・・・・君・・・・」
「そっち・・行ってもいい?」
リョーマ君が来たのは、弓月先輩が心配してたからといって、
去ろうとしたとき、名前を呼ばれた。
リョーマ君は私の顔を見て、なにかあるんじゃないかと悟った。
でも知られたくない。
そんな事を思っている隙に、私はリョーマ君の腕の中にいた。
「・・・ゴメン」
そう耳で呟かれ、袖をまくってしまった。
私はとっさにリョーマ君を突き放した。
「美亜・・なんだよ、その傷・・・」
袖から見える傷を見てリョーマ君は話し掛けてくる。
これだけは知られたくなかったのに・・・・・・・・・・・・・
「な、何でもない!リョーマ君には関係ない!」
私はその場から走り去った。
でも、まかさ追いかけているなんて思いもしなかった。
走っている最中、弓月先輩に遭遇した。
「美亜ちゃん!?」
「ゆ・・・づ・・・き先輩・・・・・」
「・・・・・・美亜ちゃん・・・・」
弓月先輩は私の肩に手を置き、
「うまく言えないけどさ・・・・・・いつまでもそうしていても解決できないんだよ」
と優しく言ってくれた。
「・・・・・。スミマセン・・・。今は・・・」
「大丈夫・・・・きっと近くに美亜ちゃんを守ってくれる人いるはずだから・・・・・・・ほら」
弓月先輩がそう言い、私の後ろを指差した。
「美亜〜〜〜〜!!なんで逃げるの・・?」
私を追いかけてきたリョーマ君。
「・・・・・・。リョーマ君・・・・」
リョーマ君が来た途端、
「越前君・・・美亜ちゃんよろしくね」
といい、私たちから去っていった。
「弓月先輩・・・ドモ・・・」
リョーマ君はペコリと頭を下げ、私と向き合った。
「美亜・・・話してくれる?オレ、全部聞くからさ・・」
私は、意を決しリョーマ君に話すことにした。
「・・・・・・。あ・・・のね・・・・?今から話すこと聞いても嫌いにならないでね?」
声が震える。
「うん・・・」
「木村本家って聞いたことある?」
「・・・・知らない・・オレ、1年前までアメリカだったし・・日本の家でも聞いたことない」
家のことをまず聞いてみると、やっぱり知らなかった。
「そう・・・だよね・・・。私ね、木村本家の跡取り娘なの」
「アトトリ・・・?」
「家を継ぐって事・・・・」
「それが何かあるの・・・」
それから私は・・・家族のことを話した・・・そしてこの傷をつけた儀母のことを・・・
虐待されたことを話していると思い出し、涙が溢れてくる。
そんなを私をリョーマ君は抱き締めてくれた。
「あの人・・・・父の財産が目的で・・・・・それを私が継ぐから・・・・!だから・・・・!」
「ヒドイ・・・美亜・・・」
リョーマ君はそう言い、キツク抱き締めてきた。
「オレが・・・守るから・・・絶対に・・・」
私は、リョーマ君のその一言に大声で泣いてしまった。
少し落ち着いてきた頃・・・・
「美亜・・・オレ、美亜のことホントにスキだから・・・」
耳にいきなり聞こえた、思いがけないリョーマ君からの告白。
リョーマ君の言葉に、顔を赤く染めた。
腕から解放され、真正面を見て、リョーマ君は話を続けた。
「今度はマジ。ホントに美亜を守りたい・・・オレと付き合ってくれない?」
「リョーマ君・・・・・・。ありがとう・・・・。こんな私の事好きになってくれて・・・・」
「美亜だから///それに・・あったときから気になってたし・・///」
「/////リョーマ君・・・・今はちょっと考えさせて?ちょっと整理したいの。頭の中・・・」
そう、今の状態では上手く返事が返せない・・・
「別に良いけど・・・でも・・答えはYesかNoだから・・」
「うん・・・。明日・・・明日にはちゃんと返事するから・・・」
ただ、時間がほしいだけ・・・・
「分かった・・・でもコレくらいはいいよね・・」
そう思いながら、話しているとリョーマ君から軽く唇にキスをされた。
一気に顔が熱くなり
「!?////リョーマ君!」
私は声を張り上げた。
「へへっ・・明日、楽しみにしてるから・・」
リョーマ君は、そう言い去っていった。
次の日の朝・・・・・
とうとう返事を返すときが来た・・・・
昨日、告白された場所にリョーマ君を呼び出した。
「ごめんね・・・。こんな朝早くに呼び出して・・・」
「別にいいよ・・・返事、聞かせてもらえるんだよね・・・?」
「うん・・・」
私は深く深呼吸をした。
「私、こんな傷あるし、これから一杯迷惑掛けると思う・・・」
そう、今でも思ってる・・・
「そんな事・・・ない・・・」
「ありがとう。そんな風に言ってくれて・・・」
「オレの気持ちは変わることはない・・守りたいし・・・スキだから・・・答え教えてくれる」
ありがとう・・・・
「リョーマ君。私は、あなたが好きです・・・。でも、こんな私で良いの?」
私はいま、全ての思いをリョーマ君に告げた。
そんな私を、リョーマ君は抱き締めてくれた。
「美亜だから///美亜だからあんなこと言った・・オレは美亜がいい」
「!?(////)ありがとう・・・。私、リョーマ君のこと好きになって良かった・・・!」
本当だよ・・・リョーマ君を好きになれて・・・・
「オレ、絶対美亜を大事にするから・・・いいよね?」
リョーマ君は顔を近づかせ、合意を求めてきた。
もちろん、断りはしない。
「え!う。うん・・・」
私が了承すると、リョーマ君は英語で呟き・・・キスをしてくれた。
「Thank you… I Love you」
そのあと、リョーマ君からペアリングを受け取った。
なんでも、森下先輩と弓月先輩から渡されたとか・・・・
2人でペアリングを首に掛け合った。
これから、本当に迷惑が掛かってしまうかもしれない。
まだ、お義母様の虐待すら・・・解決もしていない・・・・
でも・・・・
「美亜・・・イコ」
「うん・・・」
今、私にはリョーマ君がいる。あまり迷惑はかけたくないけど・・・・
リョーマ君となら・・・1人の夜も怖くない・・・・
そんな気がした・・・・・
025:一人の夜 お相手:越前リョーマ MyTime学園のダイジェスト(?)
ログ整理がてらのお話第1弾。リョマたんと美亜ww
ってかね・・・一番お若いカップルが最初にくっついちゃったんだよね・・・
設定等はドリチャルームで見てくださいな。
越前リョーマ:瀬川音符
越前ヒロイン:美亜様(木村美亜)